NSK~SL材部会~
 



建築分野における床仕上げ施工の良し悪しは、下地の出来次第によるといわれています。現在、床下地の施工方法は、コンクリート直押えやモルタル金ごて押えが主流ですが、左官技能者の熟練度によって、レベル精度のばらつきが発生する可能性があり、技能者不足がこれに拍車をかけています。
また、近年の建築業界をとりまく環境の中、品質に対する要求性能が高くなる一方、それに見合う十分な時間とコストをかけることが難しくなっている現状もあります。セルフレベリング材は、コンクリート床下地等に、スラリーを流し込み、トンボやコテなどを用いて簡単に均すだけで、レベル精度の高い平坦・平滑な床下地面を得られることから、広い面積を短期間で施工できる材料です。

仕上がり精度
マノメーター方式により測定しました。SL材施工面、モルタル金ごて押え面およびコンクリート直押え面の水平精度を下表に示します。SL材施工により平坦・平滑性に優れた床下地面が得られます。
(3m間隔で測定した場合の不陸)

日本建築仕上材工業会加盟社のSL材生産数量統計(2000年以降)によると、SL材生産数量は、2001、2002年に一時期減少していますが、2007年まではほぼ右肩上がりで増加しています。2008年以降は建築基準法改正、リーマンショック等の影響による住宅着工戸数激減の影響を避けられず、減少してきましたが、2010年を底に再び増加に転じました。
2007年以前、新設住宅着工床面積が横ばい傾向であるにも係わらず、SL材生産数量が増加している理由としては、バリアーフリー住宅の普及、床の性能・品質に対するエンドユーザニーズや施工品質向上・省力化・トータルコスト低減等の需要家ニーズに対して、SL工法が応えてきたためです。また、SL材の特徴や性能が、変化するニーズに対応してきた結果、材料そのものの認知度も向上しています。

SL材生産数量統計


SL工法用途別採用例

☆: 採用が非常に多い、 ◎ : 採用が多い、 ○ : 採用があり